文部科学省指定
学びの
多様化学校

個別指導計画(IEP)
についてABOUT IEP

全職員が力を合わせて作る
生徒一人ひとりの
笑顔のプラン!!!

星槎中学校に通う生徒は、得意な面も苦手な面もそれぞれ違っています。生徒一人ひとりが得意な面をさらに伸ばし、苦手な面については自分のペースで取り組むことができる「教育環境作り」に力を入れています。

個別指導計画(IEP)

本校の指導の根幹ともいえる「個別の指導計画(IEP)」は、生徒自身が取り組みやすい、またその生徒に今必要な対人面を含めた生活面や学習面などの課題を、一人ひとりに目標として設定したものです。作成の際は、全職員がさまざまな角度から生徒の行動を観察し、心理検査の結果や保護者の方のご意見も反映させ、個々に合ったより良い目標を設定します。授業中に視覚支援カードやチェックシートなどを用いる生徒、朝の会の前に対人面の約束事のカードを確認する生徒などもおり、自分の目標に取り組みやすいように工夫をしています。1日の終わりには、全生徒が担任と「振り返りの時間」を持ちます。1日の取り組みについて一人ひとりが担任と一緒に振り返り、翌日の学校生活につなげていきます。

心理検査 WISCの活用

入学をご希望の方には、WISCという心理検査の結果をご提出いただきます。この結果から、生徒が見たり聞いたりして得た情報をどのように処理しているかが分かります。生徒が学校生活の中で苦手さを感じる原因や、どのような支援が有効なのかなど、心理・医療の専門的な立場からの視点をもとに、学校生活をサポートしていきます。

個別指導計画の例

悪気はないのに、友達が嫌がる声をかけてしまうAくんの場合

状況 余計なひと言が多く、相手が嫌がることをついつい言ってしまい友人とのトラブルが多い。
本人はなぜ相手が嫌がるのかを理解できず、「なぜか自分がいつもトラブルに巻き込まれる」と文句を言っている。
WISCの結果 視覚性優位の結果なので、イラストや絵などの「見て得た情報」を理解するのは得意だが、
ことばや「聞いて得た情報」を理解するのは苦手。
目標 相手の嫌がることを言わない。
教員が行ったサポート

WISCの結果から、目で見て目標を確認できる支援が有効なことが分かるので、「視覚支援カード」を用いた支援を行うことを決めた。登校した段階でカードを3枚渡し、学校生活の中で相手の嫌がることを言ってしまった際には、教員がカードを受け取ることにし、個別学習時間にカードの枚数をもとに1日の学校生活を振り返らせることとした。

実際のカード
目標を立ててからの生徒の変化 カードを使い始めてすぐの時期は、相手の嫌がることを言ってしまうことも多く、教員がカードを3枚受け取る日も多かった。しかし、その都度、カードを受け取ったそれぞれの場面で「何が相手にとって嫌なことばだったか」を具体的に確認していくことで、それらのことばに徐々に気をつけられるようになり、教員がカードを受け取る回数も減っていった。また、個別学習時間に、相手を嫌がらせてしまうことばの代わりに「やさしい声のかけ方」を教員と練習し、相手にやさしい声をかける場面も増え、トラブルも減って落ち着いた学校生活を送れるようになった。

整理整頓が苦手なBさんの場合

状況

荷物を整理することが苦手で、学校のロッカーはいつもぐちゃぐちゃ。自分のものがどこにあるのか分からなくてパニックになることが多い。

サポート開始前
WISCの結果 言語性優位の結果なので、ことばや「聞いて得た情報」を理解するのは得意だが、
絵やイラストなどの「見て得た情報」を理解するのは苦手。
目標 ロッカーを整理整頓して使う。
教員が行ったサポート WISCの結果から、ことばでの支援が有効なことが分かるので、ロッカー内をビニールテープで区切り、どこに何の荷物を置くべきかがことばで示されたラベルを貼りつけることにした。
目標を立ててからの生徒の変化

最初は、ロッカー内の区切りに従って荷物を置けているか、登校時に教員と一緒に確認することから始めた。どこに何を置けば良いのかが明確なので、今までのようにぐちゃぐちゃに置いてしまうことは減り、徐々に整理整頓ができるようになっていった。やり方に慣れてくると、教員が一緒に確認しなくとも自分自身で確認するようになり、整理整頓が習慣化していった。学年が終わる頃には、荷物の量が多くなった際に自分でロッカー内の区切りを変更するなど、自分自身を支援する方法を身につけることができるようにもなった。

サポートを継続した結果

ステラプラン

IEP作成運用システム「ステラプラン」は、個別の指導計画(IEP : Individualized Education Program)の作成と運用の2つの機能を併せ持つシステムです。星槎グループにおいてこれまで蓄積してきたノウハウをシステム化し、計画的かつ継続的な指導・支援を可能とする「ステラプラン」を開発しました。

導入のメリット

個別最適化されたIEPの運用が容易に
ステラプランでは、毎日の振り返り機能により、生徒は目標を簡単に評価することができます。また教員は、生徒の自己評価をクラス単位でリアルタイムに確認することができ、その場で評価をフィードバックすることができます。簡単な操作によって継続的な運用が可能となり、IEPの取り組みと自己評価を確認することでより効果的な運用が可能です。
自己肯定感を高める「いいね!」の連鎖が容易に
生徒の自己肯定感を高めるためには、褒める、励ます、認めるといったプラスのフィードバックが必要です。なおかつ、それを多くの人が共有することが重要です。ステラプランでは、毎日の振り返り機能により、教員-生徒-保護者がつながり、即座に共有することができます。学校という枠を超えて、自分自身を認められる機会が増え、それが自己肯定感の向上につながります。
不安・つまずきの早期発見と予測
生徒の内面で起こっている「不安」や「つまずき」といった小さな変化に気づくには、注意深く観察する力と時間が必要になります。しかし、実際の教育現場では、教員・支援者が常に気づくことができる変化だけではありません。ステラプランでは、期末の振り返り機能により、生徒自らが目標に対して見直すことができ、その結果を教員・支援者が確認することができます。生徒からのサインを見逃さず、その後の支援やフォローにつなげることができます。

システム紹介

児童・生徒用Webページ
  1. ログイン後、すぐに自分の目標が確認できる
  2. PC・タブレット端末を使って、目標への自己評価を毎日入力することができる
  3. 教員・支援者からのフィードバックを見直すことができる
  4. 自分自身の“がんばり”が目に見える
  5. 学期末には自分自身の取り組みを振り返ることができる
保護者用Webページ
  1. PC・タブレット・携帯端末を使って、生徒の日々の取り組みを確認することができる
  2. 家庭で声をかけるときのワンポイントアドバイスのフィードバックがある
  3. 生徒の“がんばり”を視覚的に捉えることができる